富士フイルムグループは創業以来、写真フィルム事業で培った幅広い技術を蓄積・進化させ、価値のあるイノベーティブな製品・サービスを提供することで、社会に貢献するとともに成長を続けてきました。写真関連製品の開発・生産に必要な光学、化学、エレクトロニクスなどさまざまな技術を軸に、時代の先を読み、成長戦略を進めてきたイノベーションの歴史を紹介します。

2000年には、写真事業は富士フイルムの売上の約6割、営業利益の約3分の2を占めていましたが、その後デジタル化が急速に進展し、写真フィルム市場は急速に縮小。写真フィルムの市場は、2010年にはピーク時の1割以下にまで落ち込みました。富士フイルムは、この「本業消失」という創業以来最大の危機を乗り越えるべく写真関連事業の再編を踏まえた大規模な事業構造の転換を実施。写真フィルムで培った技術の棚卸しによって応用可能な分野を探索し、今後の成長領域として新たに定めた化粧品市場と医薬品市場に相次いで参入しました。また、2001年に富士ゼロックス(現 富士フイルムビジネスイノベーション)を連結子会社化した後、2006年に連結経営を強化するべく富士フイルムホールディングスを設立し、持株会社体制に移行しました。

富士フイルムグループは、市場の拡大を見据え、2010年に再生医療事業、2011年にバイオCDMO(開発・製造受託)事業に本格参入しました。M&Aを積極的に進めるとともに、写真フィルムの製造で培ったプロセスエンジニアリングなどの高度な生産技術を応用し、事業を拡大。2017年度には、長期CSR計画「Sustainable Value Plan 2030 (SVP2030)」と具体的なアクションプランとしての中期経営計画「VISION2019」を策定。「ヘルスケア領域の成長加速」と「ドキュメント事業の収益力強化」を重点課題として取り組みました。

富士フイルムグループのシナジーを加速させ、先進独自の技術を進化させながら、産業や社会にポジティブなインパクトをもたらす価値の創出に注力。特にバイオCDMO事業は、米バイオジェン社の製造子会社を買収したほか、生産能力増強に向け積極的な設備投資を進めています。また、株式会社日立製作所の画像診断関連事業を買収し、富士ゼロックスを完全子会社化するなど、事業ポートフォリオを強化。 次なる成長に向けた基盤を構築しました。2021年4月に策定した中期経営計画「VISION2023」実現に向け、富士フイルムグループの成長を加速させるとともに、社会課題の解決に貢献していきます。