富士フイルムグループにおける企業価値の源泉は、「技術力」「企業風土」「人材」「ブランド力」「グローバルネットワーク」であり、これらは、ステークホルダーの皆さまの期待・ニーズ・信頼に応えていくために欠かすことのできない要素です。

技術力

 富士フイルムグループの幅広い事業を支えるのが「技術力」です。長年ビジネスを行ってきた「銀塩写真」関連の製品は、多種多様な技術の集積によって成り立っています。現在、全社の売上に占める写真フィルムの割合は1%未満とわずかですが、この「銀塩写真」領域で培ってきた富士フイルムグループの事業を支える基盤技術と持続的な競争優位性を築くための核となるコア技術を組み合わせ、さまざまな製品・サービスを提供しています。

企業風土

 富士フイルムグループは、すべてのステークホルダーに対して耳を傾け、双方向に意見を交わし(オープン)、公平・公正な態度でルールを順守し(フェア)、自身の意思決定や行動に責任を持ち、嘘・偽りなく透明性を保つ(クリア)という「オープン、フェア、クリア」な「企業風土」のもと、勇気をもって挑戦しています。このような企業風土のもとで、先進・独自の技術をさらに磨き、新たな価値を創造し続けるパイオニアとして常に先頭を走る活力に満ちた企業であり続けます。

人材

 成長事業の創出・育成やグローバル展開の加速を実現するためには、優れた「人材」が不可欠です。富士フイルムグループは、社会の変化に対応し、自らイノベーションを起こすことのできるグローバル人材や基幹人材の育成に長期的な視点で注力するとともに、多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境づくりを進めています。

ブランド力

 「FUJIFILM」ブランドは、写真分野で培ってきた高度な独自技術をもとに、イノベーションを通じて革新的な製品・サービスを生み出し続けることで、その価値を高めてきました。
世界各国で「NEVER STOP」をメインメッセージにしたグローバルブランディングキャンペーンを展開。先進独自の技術で、新たな価値を提供しながら、さまざまな社会課題の解決に貢献していること、そして「常に成長する企業であり続けるために絶えず向上・前進し続ける」当社の姿勢を正しく伝え、さらなるブランド力向上に努めています。

グローバルネットワーク

 当社は、創立間もない1937年に初の海外拠点を開設するなど、積極的に海外展開を進め、2018年度で海外連結売上高比率約59%(海外売上高:1兆4,250億円)、連結子会社279社を持つグローバル企業へ成長しています。近年は、BRICsやトルコ、中東、東南アジアなどの新興国市場を最重点地域ととらえ、これらの地域に積極的に現地法人を設立し、販売体制を強化しています。

技術力

 富士フイルムグループの企業価値の源泉のひとつである「技術力」。ここでは、先進・独自の技術で画期的な製品・サービスを生み出し、世の中に価値を提供し続けていくために「技術力」の向上に努めるとともに、自社技術と外部技術を掛け合わせるオープンなイノベーションを図る富士フイルムグループの考え方と取り組み内容をご紹介します。

研究開発方針

 5つの研究方針の下、事業戦略とR&D戦略を融合することで、「生活の質の向上に貢献できる骨太の新規事業開拓」と「革新的新製品による既存事業分野の成長持続」を図っています。

研究方針
1. 基盤技術の深耕/拡大
2. 複数の異種技術融合による新たな価値創造
3. グループシナジーの強化
4. 開発スピードアップ
5. 個々の研究者と組織の研究力強化

研究開発体制

 富士フイルムでは、ビジネスに直結する研究開発を行う「ディヴィジョナルラボ」と写真事業を通して培ってきた高度な材料化学、画像、解析、生産システムなど、基盤となる技術を研究する「コーポレートラボ」を設け、これらをR&D統括本部が一元管理する体制によって、スピーディな新製品開発および成長を牽引する新規事業創出を促進しています。富士ゼロックスでは、大学や研究機関、企業などのパートナーと連携し、富士ゼロックスのみならず地域社会の課題解決に向けたシナジーの発揮を目指しています。また、日本や海外の研究開発拠点の連携を通じて、グローバルな市場の要求にスピーディに対応できる体制を整えています。

知的財産の考え方

 富士フイルムグループの企業活動のさまざまな場面で創造される価値を、当社の優位性に確実に結びつけるべく、知的財産活動に取り組んでいます。その範囲は、発明生産支援、特許出願・権利化といった従来の典型的な知的財産活動に加えて、戦略的な他社競合分析や事業優位性を導くための工業標準活動など、多岐にわたります。事業部門、研究開発部門と連携し、強い知的財産の創出と活用により、事業成長に貢献するとともに、ビジネスリスクの低減などにも取り組み、企業価値向上を目指しています。

「共創」により新たな価値を創出する
オープンイノベーションの取り組み

 富士フイルムグループの競争力の源泉である基盤技術・コア技術とそれらを活用した材料や製品・サービスを社外のビジネスパートナーに示し、新たな価値を「共創」する場として「Open Innovation Hub」を日・米・欧で開設。オープン以来、3つの拠点合わせて約3,000社15,000名(2019年8月末時点)に来訪いただき、さまざまな形での協業が進んでいます。また、富士ゼロックスでは、「Smart Work Innovation」関連の製品・サービスや実証中の技術を体感できる「SmartWork Innovation Laboratory」や、プロダクション領域に特化し課題の探索から実証活動まで行うことができる「FutureEdge」を開設。最新のAI・IoTなどの技術も取り入れ、急激に変化する事業環境において多様化する課題に応えるソリューションを提案し、お客さまの経営課題をともに解決していきます。

「Open Innovation Hub」
拡大
「Open Innovation Hub」

AI/ICTの取り組み

 富士フイルムはこれまで、医療用画像や一般写真の分野で、画像から必要な情報を読み取る技術を開発してきました。これらの知見をもとに、今後は事業活動から得られるさまざまなデータ、例えば医療の検査結果などの生体情報を画像情報と組み合わせて「統合的に理解や判断を行い、現場を支援するAI技術」へと発展させていきます。
 さらに、独自のAI技術を、診断レポートや医学書などの言語化された知識やヒトの経験知とも結び付けることで、さまざまな社会の課題を解決する次世代AI技術をアカデミアと協働で開発するなど、次世代AI技術の開発を強力に推進しています。

企業価値の源泉ー技術力

成長を支える独自の技術とさまざまな分野への展開

富士フイルムグループは創業以来、有機・無機材料化学、光学技術、解析技術などの、富士フイルムグループの事業を支える基礎となる基盤技術を蓄積してきました。
さらに、基盤技術をもとに、持続的に競争優位性を築くための核となる独自のコア技術を磨き、それらを組み合わせることで、未来を切り拓く新たな“価値”を生み出すさまざまな製品・サービスを提供しています。今後も持てる技術力を幅広い分野で応用し、新たな価値の創造に取り組んでいきます。

富士フイルムグループの生み出す新たな価値

取り組みの一部をご紹介します。

生活

テレビやパソコン、スマートフォンなどで使われる液晶ディスプレイの製造に不可欠な高機能フィルムを開発。これからも進化するテクノロジーの需要に応え、製膜技術などを生かした付加価値の高い幅広い部材を、開発・提供していきます。

オフィス

オフィス機器を提供するだけでなく、複合機をポータル化し、自社・他社のビジネスクラウドサービスと連携させることで、お客さまに適したコミュニケーション環境を構築。働く人々の生産性向上・業務効率化を実現し、企業の働き方改革への取り組みを支援していきます。

病院

X線診断機器、内視鏡、超音波、IVDなど、富士フイルムの技術を生かした診断機器を幅広く提供。さらに、医用画像情報システムや富士フイルムの画像処理技術とAI技術を組み合わせたプラットフォームを提供するなど、医師の診断サポートに貢献していきます。

社会

ナノレベルの精度でレンズを作る光学技術。撮影現場で活躍する8K放送用レンズだけでなく、セキュリティに対する意識が高まる中で求められる高性能監視カメラ用レンズや高解像性能のマシンビジョンレンズなど、多様なニーズに応える高付加価値のレンズを提供していきます。