富士フイルムグループにおける企業価値の源泉は、「技術力」「企業風土」「人材」「ブランド」「グローバルネットワーク」です。これらはいずれも、社会からのニーズ・期待・信頼に応えていくために欠かすことのできない要素です。

富士フイルムグループの競争優位性

技術力

特許保有件数 58,208件
(2021年3月末時点、富士フイルムおよび富士フイルムビジネスイノベーションの合計件数)

•     ビッグデータ解析などの最先端技術を活用した研究開発を「インフォマティクス研究所」で実施
•     日本・米国・欧州の「Open Innovation Hub」を起点にグローバルにオープンイノベーションを展開
•     AI・IoTを活用したDXを富士フイルムグループ全体で推進する「All-Fujifilm DX推進プログラム」を始動
•     事業リスクを低減し事業成長に貢献する知的財産戦略を事業部門・研究開発部門と連携して展開

企業風土

インナーブランディング活動
22言語で展開中

•     富士フイルムグループが目指す姿への理解・浸透を図る目的で、国内外のグループ全従業員に富士フイルムブランド動画「FUJIFILM Corporate Movie」によるeラーニ ングを展開中
•     コンプライアンス意識向上とリスクマネジメントの強化に向けた社内教育を継続的に実施
•     内部通報窓口を23言語で運用し、ビジョンで掲げる「オープン、フェア、クリア」の精神を徹底

人材

DX加速に向けたデータサイエンス関連研修受講者数 4,485名
(2021年9月時点、累計延べ人数)

•     各社の健康経営責任者主導のもと、国・地域の実情に合わせた健康増進施策をグローバルに展開し、健康経営を推進
•     「 健康経営優良法人ホワイト500」に5年連続認定および「健康経営銘柄2021」認定
•     多様な人材の育成と活用に向けた長期目標を定め、優秀な外国籍従業員の基幹ポスト登用と女性従業員の活躍を促進
•     「 富士フイルムウェイ研修/課題形成力強化研修」を継続的に実施

ブランド

世界におけるブランド認知度
96%

•     2021年に12カ国で実施したブランド調査で日本100%、シンガポール99%、中国97%、米国・イギリス・ドイツ92%など、高い認知度を獲得
•     グローバルブランディングキャンペーン「NEVER STOP」を国内外で展開し、富士フイルムグループの多岐にわたる事業領域や挑戦し続ける企業姿勢を広く訴求
•     顧客満足度向上に向けた自社および販売流通ネットワークへの教育研修の実施
•     従業員エンゲージメントを測る意識調査を継続的に実施

グローバルネットワーク

連結子会社数 310社
(2021年3月末時点)

•     2020年度海外売上高比率58%
•     欧州・米国・中国・東南アジアの主要拠点に地域統括会社を設置
•     バイオCDMO事業は、バイオ医薬品開発・製造の主要市場である欧米に5拠点を設置
•     遺伝子治療薬のプロセス開発・原薬製造拠点を英国と米国に新設

富士フイルムグループの独自技術

 創業以来、有機・無機材料化学、光学技術、解析技術などの、事業を支える基礎となる基盤技術を蓄積。さらに、基盤技術をもとに、持続的に競争優位性を築くための核となるコア技術を磨き、それらを組み合わせることで、さまざまな製品・サービスを提供しています。 

技術が生み出す価値

 「技術力」は富士フイルムグループの多様な事業を支える企業価値の源泉の一つです。先進・独自の技術で画期的な製品・サービスを生み出し、世の中に新たな価値を提供し続けていくために、「技術力」の向上に努めるとともに、自社技術と外部技術を掛け合わせるオープンイノベーションも積極的に推進しています。

研究開発方針

 下記5つの研究方針のもと、事業戦略とR&D戦略を融合することで、「生活の質の向上に貢献できる骨太の新規事業開拓」と「革新的新製品による既存事業分野の成長持続」を図っています。

研究方針
1. 基盤技術の深耕/拡大
2. 複数の異種技術融合による新たな価値創造
3. グループシナジーの強化
4. 開発スピードアップ
5. 個々の研究者と組織の研究地力強化

研究開発体制

 中長期の社会課題の解決に向けた富士フイルムグループの事業構想を見据え、進化させる技術や新たに仕込むべき技術のポートフォリオを策定・遂行するため、2020年12月に富士フイルムホールディングスに「CTO室」を設立しました。富士フイルムでは、ビジネスに直結する研究開発を行う「ディヴィジョナルラボ」と基盤となる技術を研究する「コーポレートラボ」を設け、全社的な視点から各事業に必要な技術を提供しています。
 また、富士フイルムビジネスイノベーションでは、顧客の経営課題解決に貢献するための研究開発を進めています。常に人を中心に考えた商品設計やサービス設計を行うとともに、大学や研究機関、企業などのパートナーと連携し、地域社会の課題解決に向けたシナジーの創出に注力しています。また、日本や海外の開発拠点との連携を通じて、グローバルな市場の要求に迅速に対応できる体制を整えています。

知的財産の考え方

 富士フイルムグループの企業活動のさまざまな場面で創造される価値を、当社の優位性に確実に結びつけるべく、知的財産活動に取り組んでいます。その範囲は、発明生産支援、特許出願・権利化といった従来の典型的な知的財産活動に加えて、戦略的な競合他社分析や事業優位性を導くための工業標準活動など、多岐にわたります。事業部門、研究開発部門と連携し、強い知的財産の創出と活用により、事業成長に貢献するとともに、ビジネスリスクの低減などにも取り組み、企業価値向上を目指しています。

「共創」により新たな価値を創出するオープンイノベーションの取り組み

 富士フイルムグループの競争力の源泉である基盤技術・コア技術とそれらを活用した材料や製品・サービスを社外のビジネスパートナーや社会が持つ課題・ニーズと結びつけ、新たな価値を「共創」する場として「Open Innovation Hub」を日本・米国・欧州に設置。各拠点のコンセプトは共通ながら、それぞれの市場環境や地域特性に合わせた展示を行っています。オープン以来、3地域合わせて約4,000社20,000名(2021年8月末時点)に来訪いただき、さまざまな形での協業が進んでいます。2020年には新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、早期にオンラインでの「共創」環境を整えた結果、遠方や海外のビジネスパートナーとのコラボレーションが増えるなど、活動の幅が広がっています。
 そして、富士フイルムビジネスイノベーションでは、長年培ってきたコミュニケーション全般における技術を実感する場である「Business Innovation Lab.」や、グローバルコミュニケーション領域の新たなビジネス創出に向けた検証活動を行う場である「Future Edge」でも顧客とともに新たな変革を生み出す活動が進められています。AI・IoTなどの技術も取り入れ、急激に変化する事業環境において多様化する顧客の経営課題に応えるソリューションを提案しています。

「Open Innovation Hub」
拡大
「Open Innovation Hub」

AI・ICTの取り組み

 当社では、「革新的な製品やサービスの創出」とともに、「業務プロセスを飛躍的に進化」させるため、「ICT戦略部」を中心に、AI(人工知能)技術やIoTなどの先端技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に推進しています。自社のみならず顧客や社会全体のDX実現への貢献を目指しています。
 高度なDXの推進に向け、データ活用のための基盤を構築し、富士フイルムの画像処理技術を応用した「画像AI」、統計分析技術を使った「分析AI」、富士フイルムビジネスイノベーションの自然言語処理技術を用いた「言語AI」を融合したAIの強化に取り組んでいます。

TOPIC1:「富士フイルムグループAI基本方針」を策定

富士フイルムグループは、2020年11月に、企業活動全般においてAIを有効かつ適切に活用するための指針として、「富士フイルムグループ AI基本方針」を策定しました。
 富士フイルムグループでは、企業理念に基づき、医療用画像診断やフォトイメージングの分野で、大量の画像データから価値のある情報を読み解く技術の開発を進め、蓄積してきました。それらの技術と知見を強みとして、ヘルスケアや高機能材料などの領域においてニーズや課題にアプローチするAI技術の開発と社会実装を進めています。
 当社は、「富士フイルムグループ AI基本方針」に沿って開発された安心・安全な製品・サービスを提供することで、新たな価値創出と社会課題の解決に取り組みます。また、本方針を適切に運用・活用するため、AIを開発・利用する従業員向けのリテラシー教育を充実させ、AI人材の育成を強化していきます。

【富士フイルムグループ AI基本方針の骨子】
1. AIの利活用により新たな価値創出を加速します。
2. 基本的人権を尊重した製品・サービスの開発・提供に取り組みます。
3. 適切かつ公正に利用します。
4. 利活用する情報のセキュリティ確保に努めます。
5. 説明責任を果たし透明性を確保します。
6. AIを高度に適切に活用できる人材を育成します。
 

TOPIC2:「DXビジョン」を策定

 富士フイルムグループは、DXのさらなる推進により、顧客への提供価値を飛躍的に高め、社会課題の解決に向けた挑戦を続けることをコミットすべく、「DXビジョン」を2021年7月に策定しました。
 富士フイルムグループでは、各部門で任命されたデジタル・オフィサーを統括する「デジタル変革委員会」を2017年に組織化したことに加え、すべての事業活動やサービス・業務を対象に、デジタル変革課題を最新のICTを活用して解決することを目指すなど、全社横断的にDXを推進しています。

※1 独自AI技術・・化合物データベースに登録されている膨大な数の化合物構造から、安定な構造であるための要件を抽出し、得られた要件に従ってまったく新たな化合物を設計する独自AI技術
※2 BPO・・Business Process Outsourcing